【挫折した人向け】1日1分×半年で財務三表の基礎を身につける激ユル勉強法

お金
財務三表の基礎勉強

株式投資をする上で避けては通れないのが、PL・BS・CFの財務3表。

意気込んで勉強を始めるものの、数字が苦手な上、項目が多くて覚えられない、結局どこに注目して読み解けばいいのかわからない、の三重苦で挫折したこと数知れず…。


そんなこれまでの反省から、「簡単・シンプルに。その代わり細く長く継続する」をコンセプトに1日1分の勉強を続けてみました。

結果半年で、

  • 財務三表の超基礎を理解して覚える
  • 決算書で最低限のポイントが確認できる

というところまで初めて到達!


  • まとまった勉強時間が取れない
  • 勉強するほど頭がゴチャゴチャになる
  • 知識を学んでも実際の財務三表から何も読み取れない

そんなケースでは、私の学習方法が参考になるかもしれません。

こんな方には不向きです
  • まんべんなく知識を身につけたい
  • 短期で達成したい
  • 実戦レベルの詳細な分析ができるようになりたい

1日1分×半年でどれくらい決算書が読めるようになるのか

半年後に実践編として、株を持っている企業の財務三表を読んでみることに。

初回は、PL・BS・CSそれぞれが見やすい表にまとめられていて、初学者にもやさしいヤマハ発動機をチョイス。

簡易分析なので、初めてでも15分くらいで全部チェックできました。

ヤマハ発動機 財務三表分析(2023年12月期)
PL・経常利益がプラス⇒過剰な借金はなさそう
BS・自己資本比率45%⇒問題ない水準
・流動負債<流動資産⇒支払いの不安は少ない
・固定資産<純資産⇒現金化しにくい固定資産を純資産でカバーできている
CF・営業:プラス⇒本業安定
・投資:マイナス⇒積極的に投資している?
・財務:プラス⇒資金調達に力を入れている?
トータル判定:成長目指して積極的

参考 財務・業績 – 株主・投資家情報 | ヤマハ発動機

CFの投資・財務部分を決算短信で確認してみると、具体的に「積極投資している」「資金調達に力を入れている」とは書かれていませんでしたが

  • 投資:固定資産の取得している
  • 財務:有利子負債の増加(=借入)

とのことだったので、大きくずれてはいなさそうです。

全体として健全+前向きな印象で安心しました。


成長株を発掘して買うようなレベルには程遠いですが、本格分析前の簡易振り分けや、手持ちの株の健康診断程度ならいける感触があります。

マネー誌+習慣化で挑む

勉強に使ったのは、決算書の読み方を特集したマネー誌1冊と、書籍『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』(原題 Atomic Habits)の習慣化メソッドです。

ページ数の少ない雑誌でポイントを絞る

財務三表の読み方を解説する本は山ほどありますが、

  • 1冊読み通すのに時間がかかる
  • 情報が多すぎて覚えきれない

というデメリットがあります。(実際、何冊も挫折しました!)

そこで今回は雑誌を使ってみることに。具体的には、週刊ダイヤモンド2022年6/25号『決算書100本ノック!』を選びました。

  • 財務三表の基礎知識が、図解付きで6ページ
  • 見るべきポイントの解説が2ページ半

これなら1日1分でも2週間あれば読み切れます。(イメージ写真や前口上など、本編以外の要素を除くと分量はさらに少ない)

雑誌は本に比べて紙面が大きく、フルカラーなのも見やすくていいです。

Atomic Habitsで反復学習。定着を図る

財務三表の挫折は「理解できない」よりも、「覚えていられない」のウェイトが大きい気がします。解説動画や本を見るとわかった気になるのですが、すぐ頭から抜けてしまうんです。

記憶を定着させるには、やっぱり反復学習。反復学習をするには習慣化が大事!

そこでAtomic Habitsの登場です。

参考 ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣 (Amazon)

考え方のエッセンスや詳細な手法は書籍を参照いただくとして、手順をはしょった雑な適用となりますが、

  1. やる気がなくても達成できる小さなタスクにする
  2. 既存の習慣にくっつける
  3. 定着したら次のステップに移る

に当てはめて実践しました。

6ヶ月間でやったこと

  • 1月
    1日1回決まったタイミングで雑誌を取り出す

  • 2月
    1日1パラグラフ読む

  • 3月
    1日1パラグラフをメモしながら読む
  • 4月
    ノートに雑にまとめる

  • 5月
    ノートにきれいにまとめる

  • 6月
    暗記用の用語メモを作る⇒1日3個暗記テスト

1ヶ月目

初月は習慣化のステップ1(簡単なタスク化)とステップ2(既存の習慣にくっつける)の構築に努めました。

体調が悪かったので、雑誌を取り出すだけでも息も絶えだえだった記憶。実行タイミングは「風呂上がりにその日の体調を記録する」という既存の習慣があったので、その後にやると決めました。

2ヶ月目

2月にいよいよ雑誌の中身を読み出します。1パラグラフで120字〜350字程度なので、X(旧Twitter)の1〜3投稿読むくらいの分量をイメージしてもらえれば。

どうせ何度も読み返すので、最初はとにかく目を通せれば頭に入ってこなくてもOKとしました。

3ヶ月目

3月は斜め読みしながら、重要単語や計算式を書く作業を加えました。

見返すことを目的とせず、手を動かすことで少しでも記憶が定着することを狙ってのことです。

4・5ヶ月目

4月、5月は考えながらまとめることで、理解度アップを目指しました。

まとめるといってもそもそもの分量が少ないので、1日2〜3行、B5のルーズリーフ6ページにしかなりません。また、内容はすでに把握済みなので、頭もそんなに使わなくて大丈夫でした。

6ヶ月目

ここまでで雑誌を読み返すのは飽きてきたので、6月は雑誌から離れて財務三表の用語暗記テストをしました。

これまで受動的な作業が多かったのに対し、頭を使う内容になったので少し面倒に感じることも。それでも、全16問で1日3問なので、負担はごくわずかでした。


こうして書き出してみると、我ながら作業量の少なさに驚きます。

でも、これだけでひとまず決算書を最低限読むところまで到達できたのは事実。

それに、1月に意気込んで3時間まとめて勉強したとしても、今ごろ何も残っていなかったでしょうね。

実践訓練の注意点→日本会計基準の決算書を選ぶ

財務三表を実際に読む上で初心者殺しなのが、日本の会計基準ではないケースです。

せっかく基礎固めをしても、チェックすべき表や項目が見つからなくて挫折する、という失敗パターンも過去何度か経験してきました。

名称挫折ポイント採用企業例

IFRS(国際会計基準)
・PL、BSの名称が違う
・経常利益の項目がない
・項目の名称や並び順が違う
ソフトバンク、味の素、パナソニック
米国会計基準・経常利益の項目がないオリックス、キヤノン、野村HD
※採用企業は2024年8月調査時点のものです

初心者が試しに見てみようと思う有名大企業こそ、日本基準ではない場合が多いようです。

※ちなみに、この記事の最初の分析に「表が見やすい」という理由でヤマハ発動機を採用していますが、2024年末からはIFRSに移行してしまいます。残念!

基礎知識をつけた後は、いきなり憧れの企業にチャレンジするのではなく、日本の会計基準を採用している企業の決算書で訓練して定着をはかる方が現実的だと思います。

今後の展望

教材に使った雑誌には、プロの手による各種業界大手の決算書分析が掲載されていましたが、今回の基礎練で身につけた知識では全くできる気がしません。

雑誌や決算書の教本に掲載されているような解像度の高い分析ができるようになるには

  1. 1社だけで見るのではなく競合比較の訓練をする
  2. チェックする項目を増やす
  3. 業界ごとの判断基準の知識を身につける

の3点が必要だと思いました。

競合比較は複数社の数字を並べる手間さえかければクリアできそうですが、2と3は勉強が必要です。

「チェックする項目を増やす」は、雑誌より情報量の多い決算書の読み方の本を。「業界ごとの判断基準の知識」は、決算書の分析をテーマにした本や雑誌から拾っていく形になりそうです。

でも、どちらもすでに身についた基礎に足していく工程になるので、同じようにコツコツやっていけば大丈夫なはず。

進捗があれば、また記事を書きたいと思います。

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