クセが強い!固形の台所用石鹸を試してわかったメリット・デメリット

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固形の台所用石鹸のメリットデメリット

食器洗いは液体が当たり前だと思っていたのですが、最近、固形石鹸タイプがあるのを知って驚きました。

台所用石鹸

口コミや紹介記事をのぞいてみると、「手荒れが軽減した」「泡切れがいい」など何やら良品の予感!

さらに、固形=水で薄めていないということだから、液体より高性能かつコスパがいいのでは?

と、期待を込めて使ってみた感想は…「思ったよりデメリットが多いかも(^^;)」

いいところも確かにあるのですが、”なぜ液体の合成洗剤がシェアの大半を占めているのか”が身にしみてわかる結果になりました。

いや〜、これは好みの分かれるアイテムだと思いますよ。

Web上の各種コンテンツは絶賛方向に偏っていると感じたので、私は別の視点で語らせていただきます。

台所用石鹸って何?液体洗剤との違い

台所用石鹸はその名の通り、台所の用途ー食器・調理器具洗い、ふきん洗いなどに使える石けんです。

ちなみに、固形だけでなく、普通の洗剤と同じように使える液体の製品もありますよ。

台所用石鹸の使い方

使い方は簡単で、水に濡らしたスポンジで石鹸をこすって取り、クシュクシュ泡立てるだけ。

台所用石鹸台所用合成洗剤
洗浄成分純石けん合成界面活性剤が主流
※様々な補助剤が加えられた製品も多い
PHアルカリ性中性が主流
※弱酸性、弱アルカリ性の製品も一部ある
洗浄力の持続力薄めると弱まる変わらない

ジョイやキュキュットに代表される合成洗剤と台所用石鹸の違いは、洗浄成分の素材です。

台所用石鹸は脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウムといった石けん成分が洗浄成分。

天然油脂に含まれるグリセリンが手肌にやさしく、生分解性が高い(自然の中で分解されやすい)ため、ナチュラル・エコのイメージが強いです。

一方、合成洗剤の主な洗浄成分は、石油や天然油脂から化学的な処理を経て作られる合成界面活性剤。

水に薄まっても洗浄作用が失われず、汚れのPHや水質にも左右されにくいので、使い勝手が良いのが特徴です。

固形の台所用石鹸のメリット・デメリット

台所用石鹸を使ってみた

3ヶ月にわたって固形の台所用石鹸を試してみましたが、冒頭でお話ししたとおり、個人的にはデメリットの方が多い結果となりました。

先に結論を言ってしまうと、メリットを感じるのは「手荒れしやすいけどゴム手袋が苦手」という方くらいでは?と思います。

メリット×3個

【1】手肌にマイルド

私が固形の台所用石鹸を使っていいなと思ったのは、手肌へのやさしさ。

合成洗剤は素手で使うと手脂が100%持っていかれますが、石鹸はそれが50%程度におさえられる体感があります。

慢性的に手荒れしている家族も、石鹸だと乾燥がマシだと言っていました。

だからといって、合成洗剤に比べて汚れ落ちが劣るということも今のところ感じていません。

私は手荒れ防止のため手袋をつけて洗い物をしているのですが、石鹸だと日に数回なら手袋なしで使っても平気なので、手袋が面倒なときには重宝しています。

【2】ゴミがかさばらない

石鹸のパッケージはビニール袋1枚なので、かさばりません。

液体洗剤はつぶせるボトルでも存在感ありますよね。

【3】詰め替えの手間が省ける

石鹸を使い終わったら、新しいものをポンと置くだけなのは楽ですよ。

液体洗剤の詰め替えは重いし、地味に時間がかかるし、たまにこぼすしで実はストレスだったんだと気づきました。

デメリット×5個

【1】最後は小さくなって使いにくい

台所石鹸のかけら

石鹸なので最後はこのように小さくなり、砕けたりします。

きれいに使い切るのは難しいです。

【2】置き場所によっては水がかかって溶ける

石鹸をシンク周りに置くと、どうしても洗い物をした水がかかります。

石鹸置きの受け皿には、石鹸が溶けた白い水が毎日満タンに溜まっていました。

【3】コスパが良いとは言えない

石鹸を使い切るまでにかかった時間を測って合成洗剤と比べてみたら、合成洗剤より費用がやや高めになりました。

【1】【2】で紹介した事情によるロスも響いていると思います。

※利用者2名の場合

※定価は2025年1月時点のものです

台所用石鹸
(3製品)
台所用合成洗剤
(キュキュット)
①135gを21日で消費:定価165円
②180gを30日で消費:定価247円
③135gを21日で消費:定価162円
220mlを26日で消費:定価187円
①7.8円/日
②8.2円/日
③7.8円/日
7.1円/日

石鹸の性質上、合成洗剤よりも使用量が多くなりがちなのが原因の一つだと考えられます。

参考 「台所用せっけん」を使って汚れが落ちません|Q&A|コープの洗剤を知る|コープクリーン

また、上記の表の金額は定価での比較ですが、店頭価格となると、大企業の製品×大容量版がある×チェーン店の大量仕入れがある台所合成洗剤の方がさらに割安になりそうです。

【4】シンクがくもりやすい

浴室の鏡が白くくもるのと同じように、石鹸カスでシンクがくもります。

合成洗剤を使っているときには、1週間に1回の掃除頻度でもシンクのくもりが気になったことがないので、石鹸ならではの現象のようです。

アルカリ性の汚れなのでクエン酸で簡単に落とせはします。

しかし、頻繁に掃除しないと汚れが目立つのはマイナス要素でしょう。

【5】つけ置き洗いがしにくい

油汚れがひどい時は洗剤を混ぜた水につけ置きするというご家庭は多いでしょう。

液体洗剤なら水に垂らして少し混ぜれば良いのですが、石鹸だと溶かした液を作るのが面倒。

また、石鹸は薄まると汚れをつかまえておく機能が低下するため、濃度調整が難しそうということもあり、私はまだチャレンジできていません。

【6】寒いと泡立ちにくい

石鹸は油脂でできているので、寒いと硬くなります。

秋口まではちょっと触れる程度でよかったのに、冬になってからはポンジにごしごしこすり付けないと石鹸が取れず、なかなか泡立たなくなりました。

その上、強くこすることでスポンジの劣化まで早まりトホホ。

液体タイプの石鹸を使えばこのデメリットは解消できるのでしょうが、液体タイプは固形よりも少し割高なんですよねぇ。

その他注意点

家族も同じように使ってくれるとは限らない

ご家族も台所に立つ場合は、馴れないものにストレスを感じたり、使いづらさを感じて石鹸を拒否される可能性があります。

実際、私も家族に「石鹸は面倒だから自分は洗剤を使う」ときっぱり断られました。

いきなり石鹸に切り替えるのではなく、それまで使っていた洗剤との併用からのスタートがおすすめです。

酢など酸性の汚れに弱い

石鹸はアルカリ性なので、酢やレモン汁で中和されてしまいます。

酸性の汚れがたくさんついた食器や鍋を洗うなら、予洗いしたり、拭き取っておくなどの一手間が必要とされています。

とはいえ、私は酢の物を食べた後のお皿程度では洗浄力の低下は感じなかったですね。

地域の水質によっては下水が詰まりやすくなる

ミネラルが多い水質の地域では、石鹸カスが発生しやすく排水溝の詰まりにつながる可能性があります。

また、ミネラル分で石鹸の洗浄力も落ちてしまいます。

環境にやさしいと言い切れない

「石鹸は微生物などのエサになって分解されるので自然にやさしい」とエコの観点から台所用石鹸を推す声があります。

しかし、環境によい影響があったという実験もあれば、現在は下水処理が整備されているので洗剤でも環境負荷は少ない、という意見や、洗剤よりも洗浄効率が悪く使用量が増えれば環境に悪いなどの意見もあるといった状況です。

エコ系のYoutube動画や個人ブログを見ていると、洗剤や石鹸を使わず洗えるスポンジやふきんを使うことで、洗剤も石鹸も減らす方向の方が増えているように感じました。


メリットに対して、数だけでなく内容の重要度もデメリットの方が大きく、さらに注意点も複数あるので、なかなかクセの強いアイテムだということが伝わりましたでしょうか。

これらの特徴を知った上で、合成洗剤と併用しながら様子を見ることをおすすめします。

おすすめの固形台所用石鹸

台所用石鹸はマイナー商品ながら、いろんな石鹸メーカーから販売されているので、どれを選ぶか迷ってしまいますよね。

しかし、様々な化学成分を組み合わせられる合成洗剤に対して、台所用石鹸はどれも98%同じ石けん成分でできているため、機能的な差がつきづらいと考えられます。

今回、複数のメーカーの石鹸を試してみましたが、正直言って私には洗浄力や使い勝手の違いがわかりませんでした。

というわけで、評判がよく、ネットや店頭で手に入りやすい固形の台所用石鹸を3つご紹介します。

ねば塾 白雪の詩

台所用石鹸 白雪の詩
重量180g
メーカー価格2個で495円
※2025年1月時点

白雪の詩は、台所用石鹸を知らなかった私でもうっすら聞いたことがある、というほど知名度の高いブランド。

レビューを見ると、特に肌荒れしやすい方々からの支持を集めているようです。

白雪の詩のサイズ感
ソープディッシュは無印良品の製品。スポンジのサイズ:約105×25×75mm

他社製品より一回り大きく、サイズにインパクトがあります。(ソープディッシュからはみ出そう!)

私は手が小さいので持ちにくいのが気になりました。

しかし、グラムあたりの単価は今回取り上げた3品の中で一番安く、価格面では優秀です。

ねば塾公式の商品ページへ

Amazonで白雪の詩の価格やレビューをチェック

MIYOSHI 白いふきん洗い

重量135g
メーカー価格165円
※2025年1月時点

近所のスーパーに売っていたのがこちら。

防腐剤配合で清潔に使えるのが特徴のようです。

MIYOSHI製品は、量販店のエコ商品担当みたいな位置付けなので、あなたのお近くのドラッグストアやスーパーにも置いてあるのでは?

ミヨシの台所用石鹸パッケージ
このパッケージ、お店で見かけたことありませんか?

うっかり切らしても気軽に手に入るという点では、この商品がいいかも。

⇒MIYOSHI公式通販サイトの商品ページへ

Amazonで白いふきん洗いの価格やレビューをチェック

カネヨ石鹸 フキンソープ

カネヨ石鹸フキンソープ
重量135g
メーカー価格162円
※2025年1月時点

約50年以上売れ続けているロングセラー商品。

台所用石鹸としては珍しく、うるおい成分(アロエエキス)と香り成分(ペパーミント)が配合されています。

フキンソープはアロエエキスとペパーミント精油配合

うるおい成分のアロエエキスのおかげか、洗った後の手のパサつきを感じづらかったです。

香りはシンプルかつ甘さのないミント。それも、言われないと気づかないくらい薄いので、人を選ばないと思います。

⇒カネヨ石鹸公式通販サイトの商品ページへ

Amazonでフキンソープの価格やレビューをチェック

まとめ|合成洗剤と台所用石鹸を併用することにしました

台所石鹸と食器用合成洗剤の併用

よい評判に感化されて固形の台所用石鹸を3ヶ月ほど使ってみた結果、ちょっと持ち上げられすぎかな、という感想になりました。これが好きな方がいるのも理解できますが。

とはいえ、手肌へのやさしさは体感できたので、ここでやめるのももったいない。

そんな葛藤を経て、私は合成洗剤と台所用石鹸を併用するスタイルでいくことに決めました。

石鹸・暖かい時期
・手袋をしたくないとき
・ついでに手の汚れも落としたいとき
合成洗剤・寒い時期
・つけ置き洗い

最近、置き場所とお金両方の節約のため、掃除道具の見直しや置き換えを進めているのですが、意外とナチュラル系と合成洗剤系は併用した方がいいケースが多くて困っています。

一長一短というか、補い合う関係というか。

何を優先するのか、ポリシーをしっかり決めて挑まないといけないなと反省しつつも、やっぱりいいものは取り入れていきたいんですよね。難しい。

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